環境に合わせた最適なレイヤーシステム
ECWCS（Extended Cold Weather Clothing System）は、寒冷地での軍事活動やアウトドア活動向けに設計された革新的なアパレルシステムで、1980年代に米軍によって提唱されました。 このシステムは、寒冷な環境下での保護、快適さ、機能性を提供し、さまざまな状況に対応できる柔軟性を備えています。
ECWCSの主要な特徴の1つは、そのレイヤー構造です。LEVEL1からLEVEL7までの複数のレイヤーで構成されており、必要に応じて異なるレイヤーを組み合わせ、気温や活動レベルに合わせた保護が実現可能です。
ドッグプロダクトへ
機能の踏襲と美への昇華
HowlyのECWCS GEN3 FLEECE VESTは、US ARMY ECWCS GEN3 LEVEL3 FLEECE JACKETからインスピレーションを得て、ドッグ仕様に落とし込みました。ECWCSのLEVEL3は中間レイヤーとしての役割を果たします。保温性を提供し、外部の要素から身を守りつつ、体内の湿気を外部に排出する役割を担うことができるウェアです。ECWCSのLEVEL3は軽量かつ保温性の高いフリース素材で構成されています。フリースは保温性に優れ、同時に通気性が高いため、体温調整が容易です。
オリジナルの機能性を素材と構成から引き出し、ドッグプロダクトへのトレースにレイヤーシステムとしての機能美を表現したVEST仕様に変換しました。愛犬の動きやすさを優先し過剰なホールドではなく、単体でもロンパースとのレイヤーとしてでも使用でき、視覚的にも美しいものとなるよう試作を重ねて誕生したモデルです。
ECWCS GEN3 FLEECE VESTの開発
犬と飼い主の求めるミニマルなウェア
人と生活を共に過ごす犬にとって、今の環境は過ごしやすいものなのか？ 異例の夏の暑さや極寒の冬など、自然環境の変化は人間もそうですが動物にとっても非常に過酷なものです。そういった様々な状況において、屋内屋外を行き来する愛犬が必要とするベストなプロダクトとはなんなのか？ また、ただの衣装ではなく人間のプロダクト同様に機能美を追求したドッグプロダクトはできないのか？ ECWCS GEN3 FLEECE VESTこのような問いから始まりました。
環境への柔軟な対応と動きやすさ
ECWCS GEN3 FLEECE VESTは、オリジナルのジャケット仕様ではなくショート丈のベストの構造にしています。これは最初からこの構造となったわけではなく、様々な試作を通した中で出来上がった形です。初期はジャケットの構想で進めておりましたが、ECWCSのメリットであるシンプルなレイヤー構造が犬では成立が中々難しく、意匠としての美しさはありましたが機能性としては欠けるものでした。その後、レイヤーシステムをドッグプロダクトに取り入れるため様々な試作を繰り返したどり着いた最適解がショート丈でベスト型の構造でした。保温性の高いフリース素材、撥水性のあるタフタ生地などを取り入れ、必要最低限の保温性をインナーとの組み合わせで発揮させられるようミニマム且つシンプルなショート丈のベスト構造に辿り着きました。 細部へのこだわりは後述いたしますが、この構造により保温性を高めながらインナーとのバランスが取れ、さらに足回りの動きやすさが上がるなど、機能性と美を追求したHowlyのベーシックなプロダクトが完成しました。
機能美（曲線と直線）
ECWCS GEN3 FLEECE VESTは横から見た時に裾の断面は直線に、ジップラインは曲線に作られています。これは意図的にできたものではなく、ハウンド犬の発達した胸筋に合わせて緻密な計算と試作を繰り返すことで出来上がった機能美です。
ディティールの再現（絞り）
ECWCS GEN3 FLEECE VESTの裾には絞りがついています。この絞りには大きく2つの機能がありますが、一つは温度調節です。絞りを使い空気の通りをコントロールすることで温度が高い時は開放し、温度が低い時には絞ることでウェアの着脱以外に、着用した状態での調整もできるようになっています。もう一つはおしっこ対策です。絞ることでおしっこの引っかかりを回避しやすくするようにします。また、絞りは通常ウェアの外側についていますが、ECWCS GEN3 FLEECE VESTでは内側についています。これはオリジナルの機能を踏襲したもので、紐が外に出ることで何かに引っかかるリスクがある為、そう言ったリスクを低減する目的で内側につけています。犬は人よりも低い位置で生活をするので引っ掛かりで発生する怪我や事故への防止にもつながります。本質的に本質的に必要な構造は残し生かしつつ、細かい細部でまで緻密に再現しています。
素材選定
素材が持ち合わせる機能。ミニマムな構造だからこそ、様々な素材で検討し最適解を出しました。 ボディのフリースは保温性と軽量性の高いフリース素材を採用しました。フリースは伸びないものも多いですが、ECWCS GEN3 FLEECE VESTでは柔軟性のあるフリースを採用しています。 このような機能を持ちながら素材は100%リサイクル素材でできており、環境にも配慮した生地です。 ジップもフルオープンなのか、止めがついたものなのか、制作し実際に着脱の実験を行い、飼い主と愛犬への負担が少ないフルオープンを採用しました。 切り返し素材は軽さと強度と耐久性、そして撥水性を兼ね備えるライトシェルのタフタ素材を採用しました。
ECWCS GEN3 FLEECE VESTとドッグライフ
自然環境、ライフスタイルなど様々な状況が変化する中で、改めて愛犬との関係性を見つめ直し、愛犬と飼い主が本質的に必要とするものを追求したHowlyの最初のプロダクトがECWCS GEN3 FLEECE VESTです。インでもアウトでもどんなインナーにも合わせられる。機能性と美を両立した、最適解のドッグベスト。 このプロダクトがより良いドッグライフをサポートするスタンダードなアイテムになることを願っています。
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