
こんにちは、HowlyデザイナーのAkimiです。このニュースレターでは、犬に関するトピックやHowlyの活動などテーマを取り上げ、毎週月曜の朝8時にお届けいたします。
💥 真逆な二頭と、待ったなしの毎日
どんなに忙しくて、どんなに眠くても、子犬のお世話は待ったなしです。
うんちはすぐに片付けないと食べちゃうし、おしっこの回数も多くて失敗もまだ多い。それでもフランを迎えてからの我が家は、そんな容赦のないドタバタとした、けれどたまらなく愛おしい日々を過ごしています。大変だと思うこともたくさんありますが、小さな失敗やいたずらさえも、過ぎ去ってしまうのが「もったいない」と感じるほど、毎日の1秒1秒が愛おしくて、すべてを目に焼き付けておきたくなります。
ふと振り返ると、先住犬のロビンと、新しく加わった子犬のフランは、性格がきれいに真逆ですごくおもしろいなと感じています。特にそれを痛感したのが、最初のお散歩の記憶です。ロビンの最初のお散歩は、地面に座り込んで緊張のあまり一歩も動こうとしませんでした。それに対してフランは、そもそも「歩く」という概念を知らないのではないかというレベルで、ただひたすらにジャンプをして暴れ回るスタートでした。
このように性格も行動もまったく違う二頭なので、それぞれに合わせたお世話の難しさはありますが、その違いがとても新鮮で、日々の暮らしのおもしろさをしみじみと感じています。もちろん、年齢的な運動量の違いもあります。色々な匂いを嗅ぎながら、ゆったりと自分のペースでお散歩を楽しみたいロビン。それに対して、今はとにかく体力を発散させる運動量が必要なフラン。そんなお散歩スタイルの違いもあり、最近の朝のルーティンには少し変化が生まれました。ロビンとは別に、朝はフランだけを近くの公園へ連れていき、思いきり走らせる時間を設けています。
🪽 朝の公園で、忘れられない出来事
先日、その朝の公園で、胸が深く震えるような、とてもあたたかい出来事がありました。
フランはお散歩のトレーニングの真っ最中で、人間も他の犬も大好きなあまり、誰かが視界に入るだけで大興奮して飛びかかろうとしてしまいます。私ははしゃぐフランをなんとか「おすわり」の姿勢でキープし、相手の迷惑にならないよう、静かにその場に留まっていました。
すると、向こうから歩いてきた13歳になるという大きな犬の飼い主さんが、優しく微笑みながら声をかけてくださいました。
「この子はもうおじいさんだから、普段は走ったり、あまり他の犬と遊んだりもしないのよ。本人が嫌だったら自分で立ち去るから、近くに寄らせてみても大丈夫ですよ」
その言葉に甘えて、少し緊張しながらもフランをそっと近づかせてみました。
すると、本当に信じられないような光景が目の前に広がったのです。
さっきまで本当におっとりと、ゆっくり歩いていたそのおじいさん犬が、フランの弾けるようなエネルギーに引っ張られるようにして、軽くジャンプをしながら楽しそうにステップを踏み始めました。フランのハチャメチャな動きに合わせて、まるで子犬に戻ったかのように、体全体でダンスをするようにステップを刻んでいます。
その様子を見て、誰よりも驚き、そして深く感動していらっしゃったのは、その飼い主さんでした。
「嬉しいね、嬉しいね」と、愛犬に涙ぐむようなあたたかい声をかけていらっしゃいます。朝の静かな公園が、一瞬にして言葉にできないほどの幸福感で満たされていくのを感じて、私まで目頭が熱くなってしまいました。
フランの持つ、コントロールしきれないほどの有り余るエネルギー。日々の暮らしの中では、時に手を焼いてしまうその圧倒的な生命力が、まさかこんな形で、出会ったばかりの誰かを、そしてその家族を心から幸せにできるなんて、想像もしていませんでした。
人間の言葉や理屈を軽々と超えて、ただ存在しているだけで周囲を光で満たしてしまう。犬という生き物は、なんて愛おしくて、なんて偉大なのだろうと、静かな感動に深く浸っていました。いろんな経験をさせてあげたいし、幸せにしてあげたい。
静かにステップを踏む老犬の姿を見つめながら、改めて心からそう誓った日になりました。
🔍 観察のヒント:嵐のような爆走「ズーミーズ」という安全装置
フランが見せてくれるような、子犬期の圧倒的なエネルギーの爆発。
実はこれには、動物行動学の視点からも非常に興味深い、生き物としての美しい仕組みが隠されています。子犬が夕方などに突然、何かのスイッチが入ったように部屋中をものすごいスピードで爆走する現象があります。つい「ストレス?」「爆走?」と不安になってしまうこともありますが、これは学術的に「FRAPs(Frenetic Random Activity Periods:突発性無目的活動期)」、通称“ズーミーズ(Zoomies)”と呼ばれる、ごく正常な生理現象なのだそうです。
未熟な体の中に蓄積された、使いきれなかった余剰エネルギーや緊張を、安全に一気に解放するためのシステムです。脳がオーバーヒートするのを防ぐための自己調節メカニズムであり、健康な脳の発達に不可欠な時間であるという研究結果があります。
── Reference : Marc Bekoff "Animal Play Behavior"
今週も、愛犬との穏やかな日々をお過ごしください。