
こんにちは、HowlyデザイナーのAkimiです。このニュースレターでは、犬に関するトピックやHowlyの活動などテーマを取り上げ、毎週月曜の朝8時にお届けいたします。
🐾 わかるから、愛おしい
「うちの子がいちばん可愛い」。デザイナーという立場でこう言ってしまっていいのか、少し迷いながら書いています。それでも正直なところ、私にとってロビンとフランは、やっぱりいちばん可愛い存在です。
なぜだろうと考えてみて、たどり着いたのは「わかるから」でした。7歳になるロビンは、名前をたくさん呼ばれることが嬉しくて、誰かとバイバイするのがとても苦手で、雷が鳴ると怖くて抱っこしてほしくなる(最近は夕立が多く、よくあります)。そういったたくさんのロビンのことを、長い時間をかけて知ってきました。だから今どんな気持ちでいるのか、なぜその行動をとっているのかが、初めて会う子よりもずっとよくわかる。会話ができている、という感覚に近いのかもしれません。
フランを迎えてトイレの位置が変わったときも、ロビンは戸惑いを見せながら、それでも理解しようとしてくれました。人がたくさんいる場所では、いつもよりまして私にぴったりとくっついて、相棒だという顔をしてくれます。私がロビンをわかっているのと同じくらい、ロビンも私のことをよくわかってくれている。そう思える瞬間が、日々のなかにいくつもあります。
だからこそ、はじめての行動を見せたときや、知らなかった反応に出会ったとき、いっそう愛おしく感じるのだと思います。
👶 これから育っていく、別のかたちの可愛さ
一方、生後6ヶ月のフランは、まったく違う可愛さを持っています。恥ずかしながら、今はもう、可愛くて可愛くて仕方がありません。床に落ちたお気に入りの鹿の角を、両手で何度も何度も踏みつけていたり、歩き方がまだ幼くて、いつでもルンルンしていたり。何もかもがへたくそで、その不器用さが、圧倒的に可愛い。
でもこれは、ロビンに感じている可愛さとは種類が違います。今のフランは、まだ「わからない」時期にいる子です。それでも毎日を重ねるなかで、少しずつわかってきているような感覚もあります。
思えばロビンも、迎えたばかりの頃はそうでした。どう向き合えばいいのかわからなくて悩んだし、特にずっと吠えているときは、何を訴えているのか見当もつかないことばかりでした。それが今では、一緒に暮らす家族として、当たり前の存在になっています。
きっとフランとも、これから時間をかけて、いまとは違う可愛さが育っていくんだと思います。今この瞬間の、幼くてへたくそで愛おしい姿は、きっと今しか見られない。それを味わい尽くしながら、いつか「わかるから愛おしい」に変わっていく日を、静かに楽しみにしています。
「うちの子がいちばん可愛い」というのは、きっと自慢でも思い込みでもなくて、その子のことをいちばんよく知っているから、そう感じるのだと思います。特にポップアップやイベントなどで皆さまにお会いするときは、それぞれのご家庭でそれが育まれていて、それぞれの接し方があるのだと、とてもよく感じます。その光景を眺めているのも、私はとても幸せです。
📝 column| 見知らぬ犬の気持ちは、わからない
こんな実験があります。飼い犬ではない、見知らぬ犬の写真を見せて、その表情からどんな感情を抱いているかを当ててもらう、というものです。
結果は、なかなか厳しいものでした。喜びについては96%の人が「見分けられる」と自信を持っていたのに、実際に正解できたのは63%。恐れにいたっては、89%の自信に対し、正解できたのは16%だったといいます。
研究者たちは、この差を説明しうる要因のひとつとして、飼い主が自分の犬に対して持つ「慣れ親しみ」を挙げています。長く一緒に暮らすなかで育つ、微細な感情表現への感受性。そして、その飼い主とその犬のあいだにだけ成立する、独特のやりとりの積み重ね。
犬という生きものの表情は、一般論としてはこれほど読み違えられてしまう。それでも、うちの子のことならわかる気がする。その確かさは、これまで一緒に過ごしてきた時間が、静かに積み上げてくれたものなのかもしれません。
── Reference : Category-dependent contribution of dog facial and bodily cues in human perception of dog emotions (2024), Applied Animal Behaviour Science