こんにちは、HowlyデザイナーのAkimiです。このニュースレターでは、犬に関するトピックやHowlyの活動などテーマを取り上げ、毎週月曜の朝8時にお届けいたします。

 

🌙 子供の頃からの夢

犬を飼うことは、小さな頃からの夢でした。小学生の頃に書いた作文にも、犬のことばかり書いていた覚えがあります。家庭の環境で実家では迎えることができず、社会人になってすぐ、ようやくロビンを迎えました。小さい頃から犬と生活してきたわけではなかったので、犬の育て方は感覚的に知っていることもなく、誰かに教わったわけでもありません。詳しい知識もないまま、それでも「この子を幸せにするんだ」という責任感だけは、はっきりとありました。最初は、何もかもが手探りの日々でした。

その手探りの日々のなかで、少しずつ気づいていったことがあります。人は、朝起きるたびに心が揺れる生きものです。ロビンを迎えてから間もなく訪れたコロナ禍では、特に。当時会社員だった私は、仕事に悩んだり、人に会えず気持ちが沈んだり。いろんなことを手放してしまいたい、と思った時期もありました。けれどロビンは、いつも変わらずそこにいました。私の心がどれだけ揺れても、その隣で、変わらない愛情を注いでくれる。裏切らない、という安心感。ただそばにいてくれるだけで、ちゃんと満たされていく感じがしました。いつからか、ロビンは私の生活の、人生の軸になっていました。生きる意味とさえ、感じるようになっていたのです。

 

🪽 揺れる日々も変わらず支えてくれる存在

そう感じてから、愛情の注ぎ方が変わった気がします。この子に、感謝を形にして返したい。こんなことをしてみたい、こんなふうに暮らしてみたい、という願いも、次々とふくらんでいきました。そうして、こんなふうに過ごしたいと願うたびに、今の自分ではまだ届かない部分が見えてきます。その距離を少しでも埋めたくて、私は自分から、犬のことを学び、トレーニングを重ねるようになっていきました。はじめは「幸せにしたい」という思いだけだったのが、いつのまにか「そのために自分が変わろう」という決意に育っていたのです。

犬に関わる仕事をするなんて、迎える前の私は、想像すらしていませんでした。きっかけはいくつもありますが、その奥のいちばん深いところには、きっとロビンとの日々で気づいた、犬という存在の大きさがあるのだと思います。ただ、いるだけ。それなのに、人を支えてしまう。人に、生きる意味を与えてしまう。SNSで無数の声が流れ、AIが日々進んで、スマホの中でたいていのことが叶ってしまう時代です。そんななかで犬は、リアルなぬくもりを、確かに感じさせてくれます。まったく思い通りにならない難しさと、ただそこにいるだけで愛おしいという事実を、同時に抱えたまま。そういう存在が、犬なのだと思います。

 

📝 column|好きな気持ちは、見つめ合うだけで通じ合う

小学生の時に書いた作文の内容は、「犬は、人と接したときに、自分のことを好きかどうかがわかる。私は犬が大好きだから、犬に会うと、どの子もうれしそうにしてくれる」というものでした。子どもらしい、たわいのない直感です。けれど今になって、その感覚もあながち的外れではなかったのかもしれない、と思うことがあります。

犬と飼い主が静かに見つめ合うとき、双方の脳内で、オキシトシンという愛着に関わるホルモンが分泌されるのだそうです。そしてそのホルモンが、さらに見つめ合いを促していく。母と子のあいだに流れるものとよく似た絆が、人と犬というまったく異なる種のあいだにも生まれている、という研究結果があります。興味深いことに、この反応は、姿のよく似たオオカミとのあいだにはほとんど見られなかったそうです。好きだという気持ちは、言葉にしなくても、ただ見つめ合うだけで、たしかに通い合っている。幼い頃のあの直感には、どうやら確かな裏づけがあったようです。

── Reference : Nagasawa et al. (2015), Science「Oxytocin-gaze positive loop and the coevolution of human–dog bonds」